記事のバージョン: Enterprise Server 2.17
行終端を処理するようGitを設定する
diff における問題を回避するため、行終端を正しく処理できるよう Git を設定できます。
キーボードで return を押すたびに、行終端と呼ばれる目に見えない文字が挿入されています。 行終端の処理は、オペレーティングシステムによって異なります。
Git と GitHub Enterpriseでコラボレートしているとき、自分が Windows マシンを使用し、コラボレーターが OS X で変更した場合、Git により予想外の結果が生じる可能性があります。
異なるオペレーティングシステムを使用しているユーザとも効果的にコラボレーションができるように、自動的に行終端を処理するよう Git を設定することができます。
行終端のグローバル設定
Git による行終端の扱い方を変更するには git config core.autocrlf
コマンドを使用します。 必要な引数は 1 つです。
OS X では、設定に input
を渡すだけです。 例:
$ git config --global core.autocrlf input
# Configure Git to ensure line endings in files you checkout are correct for OS X
Windows では、設定に true
を渡すだけです。 例:
$ git config --global core.autocrlf true
# Configure Git to ensure line endings in files you checkout are correct for Windows.
# For compatibility, line endings are converted to Unix style when you commit files.
Linux では、設定に input
を渡すだけです。 例:
$ git config --global core.autocrlf input
# Configure Git to ensure line endings in files you checkout are correct for Linux
リポジトリ単位での設定
オプションで .gitattributes ファイルを設定すれば、特定のリポジトリで Git が行終端をどう読み込むかを管理することもできます。 このファイルをリポジトリにコミットすると、すべてのリポジトリコントリビューターの core.autocrlf
設定がオーバーライドされます。 そのため、Git 設定と環境にかかわらずすべてのユーザで一貫した動作を確保できます。
.gitattributes ファイルは、リポジトリのルートに作成し、他のファイルと同様にコミットする必要があります。
.gitattributes ファイルは 2 列で構成される表のようなものです:
- 左側は Git が一致させるファイル名です。
- 右側はそのようなファイルに対して Git が使用すべき行終端の設定です。
サンプル
以下は .gitattributes ファイルの例です。 リポジトリのテンプレートとして使用できます。
# core.autocrlf を設定していない人のために、デフォルトの動作を設定する。
* text=auto
# 常に正規化し、チェックアウトの際ネイティブの行終端に変換したい
# テキストファイルを明示的に宣言する。
*.c text
*.h text
# チェックアウトの際常に CRLF を行終端とするファイルを宣言する。
*.sln text eol=crlf
# 完全にバイナリで変更すべきでないファイルをすべて示す。
*.png binary
*.jpg binary
上のように、まずファイルの種類を示し (*.c
、*.sln
、*.png
など)、そのあとに区切り文字として空白文字を続け、そのあとに、そのファイルの種類に適用すべき設定 (text
、text eol=crlf
、binary
など) を指定します。 以下、利用可能な設定を見てみましょう。
-
text=auto
Git が最善と判断する方法でファイルを処理します。 これは便利なデフォルトのオプションです。 -
text eol=crlf
Git はチェックアウトの際常に行終端をCRLF
に変換します。 OSX や Linux であったとしても、終端がCRLF
でなければならないファイルにはこれを使用する必要があります。 -
text eol=lf
Git はチェックアウトの際常に行終端をLF
に変換します。 Windows であったとしても、終端が LF でなければならないファイルにはこれを使用する必要があります。 -
binary
Git は指定されているファイルがテキストではなく、変更を試みるべきではないと判断します。binary
設定は-text -diff
のエイリアスでもあります。
行終端を変更した後でリポジトリを更新
core.autocrlf
オプションを設定するか、または .gitattributes ファイルをコミットするとき、自分で更新したことがないファイルが変更されていることを Git が報告する場合があります。 これは、新しい設定に合致するように Git が行終端を変更したということです。
リポジトリのすべての行終端が新しい設定と一致するようにするには、Git でファイルをバックアップし、リポジトリ ( git
は除いて) のすべてのファイルを削除してから、ファイルを一度にすべて復元します。
- 作業結果を失うことのないよう、Git で現在のファイルを保存します。
$ git add . -u $ git commit -m "Saving files before refreshing line endings"
- 変更したファイルをすべて再度追加し、行終端を正規化します。
$ git add --renormalize .
- 書き直し、正規化したファイルを表示します。
$ git status
- 変更をリポジトリにコミットします。
$ git commit -m "Normalize all the line endings"
参考リンク
- Pro Git ブックの「Git のカスタマイズ - Git の属性」
- Git の man ページの git-config
- Pro Git ブックの「使い始める - 最初の Git の構成」
- Tim Clem による「Mind the End of Your Line」